役員借入金を解消する7つの方法

役員借入金を解消する7つの方法

中小企業の半数以上に計上されている「役員借入金」
今すぐに経営上の問題にならないため、ほったらかしの企業が多いです。
しかし、厄介なお金でもありますので、計画的に返済することをおススメします。
(役員借入金のメリット・デメリット はコチラ)
今回はその返済方法について解説します。

①返済する

当たり前の方法です。
会社に余裕な資金があれば、役員借入金を返済します。
役員借入金の発生理由は関係なく、役員借入金の返済額は経費になりません。
銀行の融資返済と同様に、元本返済は経費になりません。経費になるの利息です。

②役員報酬を変更して受け取る

役員報酬を減額して、減額した分を役員借入金の返済にします。
例えば、役員報酬が100万円の社長に同額を支払うとしたら、役員報酬を50万円に減額して、役員借入金を50万円支払うということです。
役員借入金は元本の返済で受け取るので、所得税・住民税・社会保険料はかかりません。
同じ金額の役員報酬を受け取るよりも、社長の手取りは増えることになります。
しかし、役員報酬は経費でしたが、役員借入金の返済は経費になりませんので、そのまま対策をしなければ法人税が高くなる可能性があります。
さらに、退職金の算定に影響する可能性もあります。特に、退職時期が近い場合は注意したいです。
退職金の損金算入要件の計算で、最終報酬月額が低いと金額が少なくなってしまいます。

③資本金に振り替える

役員借入金を資本金に振り替える方法です。
よく「DES」と言われるのがこの方法です。
DES(Debt Equity Swap)(デット・エクイティ・スワップ) 債務の株式化といわれるものです。
役員借入金を現物出資として資本金に振り替えます。
資金移動が不要で、増資手続きも簡略であるため有効な手段です。
役員借入金の金額が大きければ、それだけ自己資本率は増大します。
したがって、資本金が増加することになり、法人税の均等割が増加、外形標準課税の対象になるなど税金の負担が増加する可能性があります。
また資本金が1億円を超えると、特定同族会社の留保金課税の対象になってしまいます。

④役員借入金を放棄する

役員借入金の返済を検討しても難しい場合は、役員借入金を放棄する方法もあります。
会社側は役員借入金がなくなりますが、「債務免除益」という利益が計上されます。
役員借入金を放棄する年度に、大きな赤字が発生したり、繰越欠損金があるなど、赤字と相殺できなければ、多額の法人税が生じることも考えなければなりません。
また、債務免除することで、贈与税が課税されるケースもあります。
会社が債務免除を受けて利益が発生すると、会社の株式評価も上昇します。
株式は社長以外の人が持っていることもあります。会社によっては多数分散しているケースもあります。
その株主は、会社に新たに出資も資金を貸し付けたわけでもないのですが、株の評価が上がった理由は社長が債権を放棄したためなので「社長から贈与があったとみなされる」というわけです。
その結果、贈与税が課税されるのです。

⑤後継者への贈与

贈与は既に後継者が決まっている場合には検討できる方法です。
役員借入金を後継者に贈与していきます。
例えば、暦年贈与であれば、年間110万円までは基礎控除があるため無税で贈与できます。
仮に、110万円では時間がかかり過ぎる場合は、110万円を超えて贈与するのも良いです。
200万円を贈与した場合、贈与税は9万円 負担率は4.5%です。
300万円贈与した場合、贈与税は19万円 負担率は6.3%です。
500万円贈与した場合、贈与税は48万5千円 負担率は9.7%です。
贈与税は高いというイメージの社長もいますが、ご自身の相続税よりも低い率を上手に計画的に使えば、贈与はとてもお得な方法になります。

贈与にリスクはあるのか?
お子様が複数人いる場合は、揉めないように対策をすることが大切です。
「俺の子供たちは仲良いからそんな心配はない」という社長がいますが・・・
実際に揉めているケースは多いのが現実です。人は立場や環境によって考え方も変わります。
贈与をする場合は、後々揉めないような対策をしっかり考えましょう。

⑥生命保険を活用する

生命保険の解約返戻金を活用します。
または、死亡保険金で返済することも考えられます。
保険料の全部または一部を損金に計上しながら、解約返戻金を簿外に貯めていきます。
その貯まった資金を返済に充てます。
早いプランでは4~5年以内の返済計画を立てることも可能です。
生命保険を活用した対策は、選択項目が何種類もありますので適したプランを選びましょう。

注意が必要な点は?

  • 解約返戻金にはピークがあるので、しっかり把握して計画を立てる必要があります。
    ピークを過ぎてしまうと、解約返戻金は目減りしていくので損をしてしまいます。
  • 保険料の全部または一部を損金として計上するので、解約した際は会社に利益(雑収入)になるので、その対策もしておく必要があります。

⑦代物弁済を使う

代物弁済とは、資金以外に他の給付をすることです。
債権者の承諾を得て、他の給付をします。
例えば、返済できない場合は、会社の在庫商品などを引き上げ債権回収の手段にします。
その方法を役員借入金にも活用します。
例えば、会社の資産、会社の保有する自己株式や不動産など代物弁済として、返済の代わりに充てることもあります。
注意したい点は、会社とオーナー社長との取引は適当さや思いつきなど疑われるため、譲渡した価格が問われることがあります。

まとめ

役員借入金は今すぐ経営上の問題にはなりませんが、融資や相続の際など必ず問題になる時がやってきます。
いずれ問題になるのなら、解消は早めにしておいた方が良いです。
役員借入金の7つの返済方法の中から適した対策を選択して、きちんと解決できるように、計画的な返済計画を立てましょう。

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